新人時代先輩に教わったことをアップデートしてみた
4月といえば新入社員が入ってくる時期だ。
実は僕にも毎日の仕事に目を輝かせていた新人時代があった。
当時、モテないけど仕事はデキる凄腕コンサルタントの先輩にいろいろ教えてもらったのだが、合コンに忙しかったからか今でもちゃんと覚えてるのがたったこれだけだ(笑)。
新人時代先輩に言われていまだに覚えてること
— オンク (@it_warrior_onc) 2016年11月21日
「常に目的はなにか問い続けろ」
「死んででもアウトプットにコミットしろ」
「利害が対立するときは相手の5歩先くらいまで読め」
「少年時代読んだジャンプのように設計書に慣れ親しめ」
「今日はがんばったからキャバクラいこうぜ」
ビジネスパーソンとして成長することは、世の中のクソさに気づくことの裏返しだったりもする。
年度初めということで、新人時代に教わったこの数少ない教えを振り返り、アップデートしてみたい。
1.「常に目的はなにか問い続けろ」
配属初日に言われた言葉がこれ。
はっきり言おう。至極の教えすぎて脱帽。もうなにもかもこれに尽きる。
これを習慣化して70点以上のレベルでコンスタントに実践できれば、たぶんそれだけで生きていける。
ありとあらゆる仕事には必ず目的がある。
資本主義である限りこれに例外はない。
仕事の目的を問うことは、その仕事が誰にとってどんなふうにうれしいかを具体的にイメージすることだ。
「顧客志向」とか「顧客第一」とか掲げる企業は死ぬほどたくさんあるが、本当に意味でこの"目的を問う"ことができてるケースは意外と少ないのではないだろうか。
またこの仕事の目的は人や環境によって絶えず変わり続ける。
何十億もかけたプロジェクトの目的でも驚くほどあっさり変わったりする。
しかし逆にいえば目的が変わり続けるがゆえに、そこでの経験がなくても少し頭を使えばそれなりに価値がだせたりする。
世の中には手段が目的化してるものはごまんとあるので、とりあえずこれだけでも意外となんとかなる。
大前じいちゃんの本を1行で要約します。
— オンク (@it_warrior_onc) 2017年3月11日
質問する力=「目的なんすか?」https://t.co/80pSfYDvTI
これは アップデートしなくていいかな。
2.「死んででもアウトプットにコミットしろ」
仕事とはアウトプットにコミットすることである。
どんな商品もサービスもアウトプットによってしか現実社会へのインパクトを与えられないのだから至極当たり前の話だ。
どこの自己啓発本にも書いてあることだろう。
うん、確かにここまでは異論はない。認めよう。
しかし、死んではダメだろう(笑)。
もちろん死ぬ気でやれという意図なのは重々承知だが、それで体を壊す人もたくさんみてきたし、D通の件を思い返すといたたまれない気持ちになる。
世間一般では世のため人のために働くことが良しとされる。
これは一見正しいようにみえるが実は正しくない。
最も大切なものがひとつ抜けているからだ。
そう、それは自分のためである。
仕事は誰かのためになされるものだが、その一方で僕らは決して誰かのために生きているわけではない。
他者貢献と自己犠牲は似て非なるものでここを混同してはいけない。
仕事は世のため人のため、そして、なによりも自分のためにするものだ。
3.「利害が対立するときは相手の5歩先くらいまで読め」
仕事で直面する問題の9割はトレードオフの問題といってもいい。
その中で最も多いのが、誰かの目的と誰かの目的との間のトレードオフ。
つまり利害の対立だ。
要は交渉ごとは先の先まで予測しろ、ということだった気がする。
ただ5歩先くらいまで読んで交渉テクニックを駆使して相手から奪って、それで幸せな気持ちになったり、達成感を感じたりするかというと僕はそうでもない。
むしろ「あーあの人戻って偉い人に怒られるんだろうなあ」と心配になってしまう。
結局パイを奪い合うような交渉をしたところで誰も幸せにならない。
たぶんやるべきことは、なんとかパイをゲットすることではなく、こうした交渉を避けることではないだろうか。
つまり、TAKERとの取引は極力避けた方がいい。
TAKER1人から奪い取る労力があればGIVER5人幸せにできる。
GIVE&TAKEのやり方ではなくGIVE&GIVENにできる方法を考えよう。
it-warrior-onc-onclog.hatenablog.com
4.「少年時代読んだジャンプのように設計書に慣れ親しめ」
まあ要は仕事を楽しめ、ということである。
ハーバードの心理学者ショーン・エイカーによると、ポジティブな状態でいれば単に気持ち良いだけでなく生産性も高くなるらしい。
ポジティブな状態の脳は ネガティブな状態の脳より31%生産性が高くなります。販売で37%成績が上がります。ネガティブやニュートラルでなくポジティブなときに 医者は19%早く正確に 診断するようになります。これは法則を反転させられることを示しています。現状に対してポジティブになることさえできれば脳はより熱心に速く知的に働きその結果としてより成功するようになるのです。 (引用元:TED Talk Subtitles and Transcript "ショーン・エイカー 「幸福と成功の意外な関係」")
ここまではまあいい。確かにわかる。
それで、実際に楽しく仕事してるとどうなるかというと「あいつなんか楽しそうだな。きっとまだ余裕があるはずだ」と炎上プロジェクトにアサインされる。
それでも楽しく仕事をしてると今度は兼務になる。
ここでの兼務は0.5人月ずつとかそういう生易しいものでははない。1人月ずつ、すなわちひとりで2人月分の仕事が割り当てられる。
それでも楽しく仕事をしてると今度は逆に仕事を根こそぎ奪われる。
俗に言う干されるというやつだ。
なにが言いたいかというと、楽しく仕事するのは大事だがそれだけでは意外と良い結果には結びつかない。
仕事の報酬を苦痛に耐えた対価と捉えている人たちの目の前で楽しそうに仕事するのは、彼らを攻撃してるも同然なのだ。
「仕事を楽しめ」だけではダメで会社を使い倒すには「大変なふりをしながら仕事を楽しめ」の方がきっと役に立つ。
5.「今日はがんばったからキャバクラいこうぜ」
凄腕コンサルタントの先輩に物申そう。
甘い。甘すぎる。
「5歩先を読め」と言いながら先輩は自分の人生をまったく先読みできていない。
お金には、交換、蓄積、増殖という3つの機能がある。
人生のステージに進めば進むほど、後者の機能の役割が大きくなっていく。
本来、お金の機能は交換→蓄積→増殖と機能が変わっていかなければいけないのに、それではがんばったからといってキャバクラ通いを続けていては交換↔蓄積の繰り返しだ。
それでどうすればキャバクラや六本木にお金を落とさなくてよくなるだろうかというと、やっぱりモテる以外の方法はない。
こんな諺がある。
「地獄の沙汰もモテ次第」
モテていれば全てがうまくいく。本当だ。
モテるということは自分の力で誰かを幸せにできるということに他ならない。
モテていれば非モテ搾取ビジネスや西麻布の女に大金をつぎ込むこともないし、冷静な判断ができて仕事もうまくいく。
その結果、散財しないので新たな投資にまわすことができるし、新たな仕事が入り、ひっぱりだこになる。
仕事でもモテスパイラルは起こることを覚えておこう。
it-warrior-onc-onclog.hatenablog.com
もし自分に新社会人を指導する機会があれば、教えてもらったことを少しだけアップデートしてこう伝えようと思う。
1.常に目的はなにか問い続けろ
2.仕事をするのは世のため人のため、そしてなによりも自分のため
3.GIVE&TAKEではなくGIVE&GIVENに
4.大変なふりをしながら仕事を楽しめ
5.地獄の沙汰もモテ次第
おしまい
参考文献
社会人になって初めて買った本。