「なぜさおだけ屋は潰れないのか」に副業のヒントが書いてあった
なぜさおだけ屋は潰れないのか。
落ち着いて聞いてほしい。
僕はさおだけ屋ではなくITコンサルタントである。
軽トラを運転することもなければ、「さおだけ〜♪さおだけっ♪」と歌うこともない。
しかも数年前からプチドラムを愛用している。
どこからどうみてもさおだけとは無縁の生活を送っているのだ。
しかし、僕はKindle Unlimitedで『なぜさおだけ屋は潰れないのか』をダウンロードした。
なぜか。
さおだけ屋の"さお"は実は新宿二丁目で用いられるそっちの"さお"ではないかと思ったからだ。
つまり二丁目で男の"さお"を売っている、または斡旋している。
だから潰れないのではないか。
しかし、残念ながらこの仮説はかすってすらいなかった。
中身は何の変哲もない、とてもわかりやすい会計の入門書だった。
連結経営の話でとても勉強になる箇所があったので備忘録的にまとめておこうと思う。
そもそも企業はなぜ連結経営をするかというと、コアとなるスキルや強みを横展開して別の事業で儲けるためだ。
本業と副業はバラバラになっていてはいけない、お互いとつなげて考えろということだ。本業があるから副業が成り立ち、また逆に、副業があるから本業が成り立つ。これらが密接にリンクしあってこそ、相乗効果が生まれるのである。(中略)「週末起業」は連結である。藤井孝一氏が世に広めた、会社を辞めずに週末を使って起業をしようという「週末起業」も、基本的には連結経営の考え方だ。つまり、自分の知識や趣味など、もともと自分となにかしら関連した強みを生かしてネット販売などの副業をやれ、ということである。
要するにスキルを横展開してるわけだ。
僕は普段ITコンサルタントとして仕事をしている。
なにをやってるか超ざっくりいえば、
1)情報をかき集める
2)情報を整理する
3)プロセスを説明する
だいたいこの3つだ。
1)情報をかき集める
システムをつくるのに他のプロジェクトの事例を調べたり、業務の情報をその部署の主みたいなじいさんにヒアリングしたり、わかりづらすぎて誰も理解できないような昔のドキュメントを読みあさったりする。
2)情報を整理する
集めた情報をなにかしらの切り口で整理する。例えば、業務を見直したいのなら担当者やタスクを軸にするし、アプリの構造を決めたいのなら機能や画面を軸にする。
3)思考プロセスを説明する
あくまでお金を払ってるのはクライアントなのでそれなりに説明責任もある。
よって、なぜこんな業務の流れにしたのか、なぜこんなアプリの構造にしたのか結果とともに思考プロセスを説明する。
ビジネスパーソンはとにかく結果が大切だと言われがちだが、僕は結果が大事だからこそプロセスの説明に重点をおくようにしてる。理由はシンプルでこの考えるプロセスは、もしクライアントが自分以外の委託先と対座したときも応用できるからだ。
それで気づいたのがこうしたITコンサルタントのスキルとブログや週刊恋愛サロンを書いたりといった文筆業のスキルは意外と近いのではないか、ということだ。
別に引き込まれるようなストーリーや想像を掻き立てるレトリックは使いこなせなくとも、誰かが抱える問題の解決を手助けする程度に体系化、言語化できればそれはそれで価値はある。
複数の事業をこなす人は一見多才なスーパーマンにみえがちだが、その根底にある抽象的なレベルでのコアスキルや考え方は一貫している。
副業といえばアフィリエイトやメルカリ、情報商材などの情報があふれているけど、「楽に稼げるんじゃないか?」という視点で安易に飛びつくのは返って遠回りになる。
それよりは自分の持っているスキルを新しい分野にスライドさせるアナロジー的な視点をもてるかを考えた方がたぶん近道できる。
持ってくスキルは半分、新たに獲得するスキルはもう半分。
こう考えればもう少し身軽に新たな一歩を踏み出せるのではないだろうか。