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東京タラレバ娘が恋愛工学生の自分に刺さった理由~恋愛工学生の末路はタラレバ工学生?~

とある平日の一場面。僕は同じチームで既婚アラサー女子の先輩とランチしていた。

 

「東京タラレバ娘読み切りたいので、今日は17時半には失礼しますね。」


「オンクくん、そんなの読んでんの?(笑)東京タラレバ娘めちゃくちゃおもしろいよね。」


「あれ、めちゃくちゃ刺さりますよね。昨日1巻だけ読んだんですが、早く続き読みたくて。」


「あれ結婚できないアラサー女子の話なのに、オンクくんに刺さる意味がわかんない(笑)。あたしの場合は、まわりに該当する子たくさんいるけど。」


「や、アラサー女子の気持ちわかるんで(笑)」


「は?」

 

その後、一緒に仕事がやりづらくなったことはいうまでもない。

しかし、なぜ恋愛工学生である自分に東京タラレバ娘が刺さったのか。

本当にアラサー女子の気持ちがわかったからなのか。

今回はその理由を考えてみたい。

 

 

東京タラレバ娘のおさらい

知らない方のために、超ざっくりいうと、20代の若い頃はモテていたけど、よりいい男を探してたら、恋愛市場での相対的な価値が下がり、結婚できずアラサーになってしまった、という話だ。


結婚できない仲良しアラサー女子の3人組、倫子(脚本家)、香(ネイルサロン経営)、小雪(居酒屋看板娘)が主な登場人物で、なかなか恋も仕事もうまくいかず、焦りながらも「女子会」を繰り返す。

 
「もっといい男がいたら…」
「もっと好きになれれば…」
 
このタラレバ話と、つまみの白子ポン酢のタラ、レバテキのレバーをかけて「東京タラレバ娘」というわけだ。
 
 

東京タラレバ娘は恋愛工学の末路そのもの?

Kgo(@Kgo_Number10 )氏が提唱している

はぐれメタル理論週刊金融日記 第158号)をご存知だろうか。 

 

恋愛工学やナンパの探究は、ゲーム『ドラゴンクエスト』でいう「はぐれメタル」のような、めったに出会うことのできず、かつ経験値が高くないと落とせない最高の女性を射止めるために行うもの、とする考え方だ。

 
東京タラレバ娘は、20代の若い頃はモテていたけど、よりいい男、つまりはぐれメタル(最高の男性)を求め続けた結果、結婚できずにアラサーになってしまった、という話だ。

 

例えば、1巻では、主人公の倫子は20代のころ、新人のディレクター早坂さんに告白されるも、「やさしくていい人なんだけどダサ…」と思い、振ってしまう。

 

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そして、4巻では、倫子に映画バーで働くイケメン彼氏ができるものの、互いの価値観について歩み寄ることができず、これまた振ってしまう。

 

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自分にとってはふさわしい相手ではない、もっと良い相手がいるはず…

そう思うがゆえの行動だ。

リアルの恋愛シーンでもよく目にする光景といっても差し支えない。

 

 

もう気付いた方もいるだろう。

 

これが、はぐれメタル派の末路とまったく同じ構図ということに。

 

はぐれメタル(最高の女性)を求め続け、おっさんになり、自分の恋愛市場での価値が下落した結果、はぐれメタルどころか誰にも相手にされなくなってしまうのではないか。

 

男女で恋愛市場にアクティブでいれる期間は違えど、東京タラレバ娘は、まさに恋愛工学宗派「はぐれメタル派」の末路のメタファといえる。


おそらくこのことを直的に理解していたため、世間の結婚できないアラサー女子と同じように胸をエグられたのだと思う。

 

 

恋愛工学宗派「はぐれメタル派」の末路とは

それでは、はぐれメタル派の末路は東京タラレバ娘ならぬ、タラレバ工学生となってしまうのだろうか。

 

おっさんでハゲデブになり、 

「昔ほどの頻度ではぐれメタルに出会えたら…」

「最後にもう一度はぐれメタルを落とせれば…」 

などと言いながら、飲み会で過去の自慢話。

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想像するだけで、だんだん恐ろしくなってきた。*1ガクブル

 

ここで最も認識しておくべきなのは、新規はぐれメタルを倒した(最高の相手をゲットできた)瞬間、はぐれメタルだと思っていた既存案件はメタルスライムに格下げされるということだ。

 

考えてみてほしい。

恋愛工学生になって、確実に選べる相手の選択肢は広がった。

しかし、その分求める基準が高くなり、はぐれメタルの範囲が狭まってしまってはいないだろうか。

 

事実、アメリカの心理学者バリー・シュワルツ氏は、選択肢が増えすぎると期待値は増大し、その結果幸福度は下がると提唱している。



この考え方のとおりだとすると、恋愛工学生はぐれメタル派→タラレバ工学生への最悪のシナリオはこうだ。

 

  1. 新規はぐれメタルを倒す
  2. はぐれメタルと思っていた既存はぐれメタルがメタルスライムに格下げ
  3. 更なるはぐれメタルを探す旅へ
  4. 1に戻る
  5. いつの間にか40~50代のハゲデブになってる

 

よって、恋愛工学生はぐれメタル派にとって、タラレバ工学生化は避けられない宿命と考えることができる。

 

 

タラレバ工学生にならないために

いやいや、このまま終わるにはあまりにも悲しすぎる。

愛とはなんなのか真摯に向き合ってきた結果、末路がタラレバ工学生て…

ただこれが本当に避けられない宿命かというと、そうでもない気もする。

 

自分にとってのはぐれメタルとはなにか、をリフレームすればよい。

おそらく大多数の人は、恋愛市場で男女ともにある一定数のはぐれメタル(最高の相手)を奪い合うように考えてしまっているのではないだろうか。

もちろん、これははぐれメタルの基準が主にルックス(女子の場合は年収も)

であるというフレームが前提となっている。

 

確かにその傾向はあるにせよ、自分にとってはぐれメタルかどうかは、必ずしも世間一般のものさし(ルックス、家柄、年収など)だけではないはずだ。

 

他人のものさしというフレームでしか物事を考えられないということは、自分の人生を生きていない、と言い換えることもできる。


さらには、そもそもはぐれメタルかどうかは、セク後のポスト・セックス・ピリオドに愛を育んでいく過程でわかるものかもしれない。

 

まあ要するに言いたいことなにかというと、いつも身近で支えてくれる彼女が自分にとって本当のはぐれメタル(最高の相手)なのかもしれない、ということだ。

 

これを機に自分にとってのはぐれメタルとはなんなのか、見つめ直してみてはどうだろう。

 

 

参考文献

*1: ;゚Д゚